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アネゴ的カノジョ
第4章 蘇る本能
 
 大粒の雨が窓を叩き付ける音に、なかなか寝付けなかった雅人。

 暗闇の布団の中で、何度も寝返りを打つ。

「はぁ……この前の姉ちゃんといい……この雨といい………。
 何だか最近まともに寝れてないよう……な………」

 思わず不満を口に出す雅人。

 その耳に、ガンガンと鉄階段を荒々しく上り、勢い良く扉を開ける音が届いた。


…もう…姉ちゃん……
こんな夜中に……しかも大雨って時に………


 そのけたたましさに、杏子が管理人に怒られる事を危惧する。

 チラッと時計を見遣れば、既に日付は変わっていた。


…あぁ……こりゃ姉ちゃん……
明日は確実に大家さんに………


 杏子を危惧する余り、物音を聞き逃さないとばかりに耳をたてる。

「……で……だから………てよっ」

 思わず聞こえた杏子の声。

 大雨の音で途切れ途切れながらも、聞き慣れた声が怒鳴っている事に危惧する。

 続いて激しく扉が閉まる音と人声。


…一体……何が………


 明らかに平常ではない連続する物音に、雅人は軽く眉を寄せた。


…何か…あったんかな………


 色々な推測が頭を過ぎるが、結論には至らない雅人。

 そんな雅人の視界に、今までに気付かなかった光景が飛び込んだ。
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