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アネゴ的カノジョ
第5章 陽と陰
 
 昔から面倒見のいい杏子。

 この辺りの子どもたちから慕われていた。

 世話になった杏子を、何かしようなどと思う筈もない。

 しかし、転居してきた若い男は、杏子の整った顔立ちと悩ましい体つきに、好色の視線を向けている。

 このグループは本当に杏子を犯しかねない。

 その事を危惧する雅人は、口を閉ざした。

「何とか言えよっ」

「っぐっ……」

 ドカッと踏まれても、呻き声だけをあげる。

「てめぇには勿体ねぇから、俺らが可愛がってやるって言ってんだよっ」

「うぐぅっ……」

 脇腹を蹴り上げられても、口を閉ざす。

「いい加減、吐いちまえよっ」

 更に追い打ちを掛けようと足を上げた金髪の男子。

「まぁ、いいって」

 それを女子の胸を揉み解す男子が止めた。

「…う…うぅっ……」

 止めた理由が分からなくとも、一先ずは止んだ踏み付けに雅人は呻き続けながら安堵する。

「こんなド田舎なんだからよぉ…。爆乳ちゃんなんて簡単に見付かるだろぉ?」

「あ…あぁ…んっ……」

 男子の言葉に続いた女子の艶めかしい声にどぎまぎしながらも、雅人は更に不安感を募らせた。


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