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アネゴ的カノジョ
第5章 陽と陰
「でよぉ。今日はそれだけじゃねぇんだよ」
雅人から巻き上げた金を無造作にポケットに入れた男子。
肩を抱いた女子の太腿を撫でながら、ニヤニヤと雅人を見下ろす。
「…な…なに……を……」
「てめぇ……今朝、女と一緒だったみたいだよなぁ?」
残る男子の言葉にドキッとする。
「えぇっ? アンタみたいなネクラなヤツがぁ?」
「何でも爆乳ちゃんらしいじゃねぇかよ」
驚く女子の言葉に、金髪の男子が続いた。
「てめぇには勿体ねぇなぁ」
相変わらず女子の太腿を撫でている男子。
舌舐めずりをしながらニヤニヤと笑みを浮かべる。
「何よぉ? アタシが居るじゃなぁいっ」
隣の男子に不満げに言葉を吐き出す女子。
徐に胸を男子に押し当てて甘えだす。
しかし、雅人にはそんな光景など目に映っていなかった。
…ど…どうしよ……
絶対……姉ちゃんの事だよな………
この連中に杏子が目をつけられた事に心拍数が上がる。
ただでさえ素行が悪いとされるグループ。
どんな事をされるか分かったものじゃなかった。
…姉ちゃんの名前知らないって事は………
余所から来た…連中だったんだ………