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half. ~Sweet blood~
第2章 同情と、優しさ…
「まだがきだな、下手くそ」
小馬鹿にしたように言えば、深く、深く、熱いモノが俺の舌を支配する。互いの唾液が絡まり、ほのかに残る血の味が凄く美味く感じた。
「はぁ、んっ…」
「唇噛んでみろよ、血好きなんだろ」
「んっ、くっ…」
カリッ…
「くっ、っ…」
痛さから声が漏れる。
ルシアはポタポタと垂れる血を口で受け止め、喉にながす。傷口を治すように唇に舌を這わせた。
チュパ、ぺろ…
「あま、い…ハァ、ハァ…」
何度も何度も、唇を舐めた。既に塞がっているのにも関わらず、無心で唇を頬張る…。腕はしっかりと首に絡み、密着する身体が熱い。
「美味いか?」
「あっ、んっ…うん…ハァ」
やばいな。血吸われすぎて頭クラクラする。我慢するなとは言ったけど、さすがにきついな
「ルシア…待て…」
「ハァ、もっと…」
「待てって、血なくなる」
「っぁ、あ、ごめん…」
申し訳なさそうに腕を離すと、密着していた身体を退かし距離をとる。
「ルシア、匂いに慣れろよ。血好きなのはわかるけどよ」
笑いながら唇をなぞる雪斗。俺の唾液でテカテカと光り、それがすげーやらしく見えた。
「なぁ、ルシア…お前がどんな環境で育ったか知らねーけどよ、今は違うんだ。俺に甘えればいいし、頼ればいい」
「え、でも…」
「でもじゃねーんだよ。今みたいにもっとって我が儘言えるようになれ、俺が受け止めてやるから」
嬉しそうな、恥ずかしそうな表情をしたルシアは顔を反らし
「き、気が向いたらな…」
「あぁ、それでいい」
こいつは俺みたいに泣かせたくないんだ。