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おこごと
第2章 桃鼠
(あの後、この男の家に来たのか。)
街灯の光を頼りにみた昨夜と違い、今日の杏里はとても若々しい。学生だろうか。
蜂蜜を落としたミルクのような肌。
柔らかそうな髪。

「いつでも大丈夫だよっ。合わせるよっ。」
嬉しそうに、男の為に横を向いた杏里のぽってりとした、さくらんぼのような唇に隼人は釘付けになる。
目の前のオヤジは、この唇を吸ったのだろうか。


隼人は、頭痛も忘れて、オヤジを睨み付ける。
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