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銀の木洩れ日亭へようこそ
第2章 目を覚ます
室内を改めて見渡すと扉が2つあった。

どちらも小柄な部屋の主に合わせて作られたようで随分小さく、長身のジークが通り抜けるにはぎりぎりの高さのようだった。

それぞれ、おそらく隣りの部屋に続くものと、建物の外に出るものと。


奥に向かうのも家捜しのようで憚られ、外の空気を吸いたくもあり、後者を選ぶことにした。


何日臥せっていたのか定かでないが、体力の消耗はさすがに否めない。

頼りない足取りを励ましつつ、本と紙束と奇妙な道具で作られた迷宮のような部屋を、物を倒さないよう最新の注意を払いながら扉へ向かって歩みを進めた。


装飾のないシンプルな金色のノブには鍵はかかっていないようで、小さな音と共に扉は外側に開いた。

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