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可愛いヒモの育て方。
第12章 来客

「年下とはいえ、これから初対面の男性を迎えるというのにすっぴんだなんて。なんだか申し訳ないわ」
「私は家じゃ、いつもすっぴんだけどね」

 すっぴんなんて、気にしたこともなかった。
 そして、なんやかんやで彩乃は美人だ。肌なんて、私よりも綺麗だし。
 彩乃も私もシャワーを浴び終え、テーブルの上をざっと片付けていると、チャイムが鳴った。麻人が来たみたいだ。
 私は玄関まで、麻人を出迎えに行った。

「また鍵開いてるし」
「……あんたが来るから開けておいたの」

 本当は、ただの締め忘れだけども。
 麻人はいつものパーカー姿。コンビニ袋を二つも提げていた。

「ずいぶん買ってきたね」
「ちょっと買いすぎちゃいました。お邪魔しまーす」
「どーぞ」

 麻人を招き入れ、鍵を締めた。いつもなら、かって知ったる様子でさっさと部屋に行くのに、今日はおとなしく玄関口で待っていた。友達がいるからだろう。

「……友梨香さんの友達に、なんて言ってるんですか? 俺のこと」
「私の職場でバイトしてる、ヒモ?」
「ヒモ!?」
「ヒモ兼家政婦兼パシリ? よく泊まりにくることも知ってるから、大丈夫だよー」
「もう! 少しは隠しましょうよ!」
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