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第5章 熱

　感じさせてみたいけど、私から手を出すのは躊躇われた。ただでさえ、苦しそうなのに。
　ブラも外され、乳首をくわえられる。しゃぶるように舌で転がされ、下半身が甘く疼いた。麻人の細い指を締めつけてしまう。

「は……ふうっ」

　指を増やされ、三本の指を中でバラバラに動かされた。横向きだと、普段と当たる場所が違う。内壁を圧迫され、不規則に抜き差しを繰り返されると、一気にイキそうになった。

「奥……ついてっ」

　無意識にそうねだっていた。麻人が乳首を甘噛みしながら、指をいっきに奥に突っ込んできた。

「は……、ああ……っ！」

　ぶるりと体が震え、麻人の頭を強く抱きしめて達していた。

「……気持ちよかったですか？」
「うん……」

　荒い息をつきながら頷いて、ふと思う。私が満足してどうする。

「セックス、できる？　それとも、私の体触るだけでラクになれるの？」

　麻人は少し考えて、弱々しく首を振った。

「無理……かも」

　やっぱり。どっちも無理か。だけどまともに歩けもしないのに、セックスなんて無謀だろう。さて、どうしたものか。
　私は麻人の鎖骨の辺りに、そっと触れてみた。