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第5章 title 百合の調(しらべ)

テンポを刻むように歩く彼女


歩調に合わせて長い髪が揺れます


特にそれ以上の会話もなく・・私の手を引いて、図書館をあとにしました


向かう先には見覚えのある通路


階段を上がって・・・


たどり着いたのは２度目になる美術室


初めて透矢に連れてこられた場所でした


彼女が扉をノックして、中からの返事を待たずに開けます


「連れて戻りましたよ～」

明るい声が広い空間へ木霊しました


カタンっと音とともに現れた人影