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毒舌
第3章 新生活のはじまり
エレベーターを降りて
ガラス張りの扉の向こうに
今日から働く
オフィスが見えた。
私より先に
その人が入り
たまたま
私が
後をついていく形になる。
「おはようございます!」
その人の
突然の大きな挨拶に
心臓が飛び出しかけた。
私にじゃなくて
オフィス全体に
挨拶してるのよ。
『うるせー男だな』
「今日からお世話になります、営業の香島直哉です!」
トビの悪態も霞むような
大きな声は
私の足をすくませた。
まだ早い時間だからか
社内は人もまばらだったけど
何人か
香島さんの声に
引かれるように
顔を出したの。