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毒舌
第13章 豹変
「じゃあ次は直哉の健診ね。めんどくさいからここで検尿とりなさい」
悪魔は
紙コップを
香島さんに差し出す。
香島さんは
凍り付いた。
「ふざけ――」
「うるさいわね。休日にわざわざやってあげてるのよ、早くしなさい?」
「あ、あのっ、私待合室で待っ――」
全貌を現しつつある
悪魔に畏れを抱き
診察室から
逃げ出そうとした私に
悪魔は
その眼鏡を光らせた。
「いいえ?まだ採血とか予防接種とかがあるからいてちょうだい。――ついでだから手伝ってもらうわ?」
私も香島さんも
青ざめていた。
悪魔は
そんな私たちを見下ろし
艶やかに笑うの。