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毒舌
第3章 新生活のはじまり
いつの間にか
上野さんと坪北さんの話題は
香島さんになっていた。
「絶対彼女いるよね」
『なんであんなのがいいかね。理解に苦しむぜ』
恋愛する気がない私には
わりとどうでも良かった。
ぼんやり聞いていたら
目の前を
朝の痴漢おじさんが
横切っていった。
「!」
思い出してゾワッとする。
『おお。ちっさいオッサンじゃん。この辺に職場があるんだな』
こっちに気付かず
行ってくれて何より。
一気に食欲失せたけど。
「笠本さん大丈夫?なんか顔色悪いよ」
「なんか、朝会った痴漢がいたから……びっくりしちゃって」
「痴漢!?何それ。ちゃんと訴えた?」
会社に戻る道中も
痴漢の話題で
持ちきりになってしまった。