この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
毒舌
第3章 新生活のはじまり
会社に戻ると
営業部長の山田さんが
出掛けるところだった。
やっぱり元気がない。
私の視線に
トビが冷やかす。
『大方、他所の店から回されてきたエリートに場所奪われそうになってんだろ』
(エリート?……香島さんのこと?)
『ストレスに弱そうだよなぁ、あのオッサン』
くくく、と笑うトビに
私は眉をひそめた。
(性格悪すぎ)
『今さら何言ってんの』
(営業の人は大変なんだろうなぁ)
弱肉強食な世の中に
私は小さく
ため息をついた。
『他人の心配してるほど、お前に余裕あんの?』
(うるさい!ちゃんと頑張るわよ!)
私は負けず嫌いで
トビの挑発に
すぐ乗ってしまう。
いつもこのパターンで
無駄に頑張りすぎてしまう。
ものすごい勢いで
データ入力していたら
近堂さんが
びっくりしていた。