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毒舌
第3章 新生活のはじまり


「遠慮してる?」

「いいえ?」


素で
キョトンと答える私に
香島さんは
首を傾げる。


「琴美ちゃんてかわってるね」


『おい、ちょうどいいから今コイツの顔面殴れ』

(何がちょうどいいのよ)

『車に乗って顔を突き出してる高さがお前が殴るのにちょうどいいだろ』


いきなり殴ったら
かわってるどころでは
すまない。


『朝の痴漢にも一撃お見舞いしただろ』


アレは
足を思いきり踏んだだけ。

アレは
報復の一つや二つは
当然のレベルだったし。


(まだ香島さんには何もされてない)

『されてからじゃ遅せーだろ』


過剰防衛じゃなかろうか。

トビがもっと
過激なことを言い出す前に
さっさと退散しますか。


「それじゃあ失礼します」


くるりと背を向けて
さっさと歩き出すと

香島さんが
何か独り言を呟いてたけど
よく聞こえなかった。


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