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毒舌
第3章 新生活のはじまり
「お疲れ。今帰り?」
「はい……。こんなとこでどうしたんですか?」
車に乗っている人が
わざわざ駅に来るのは
例えば誰かの送り迎えか
あとはせいぜい
タクシーくらい。
『まさかストーカー』
(ないない。それはまさかだわ)
かなり失礼な
トビの予想に
香島さんの顔から
視線をそらす。
「ちょっとね、野暮用」
『誤魔化したな』
(誤魔化したわね)
別にどうでもいいけど
香島さんの
胡散臭さ度が上がった。
「良かったら乗ってく?送ってくよ」
『ふざけんな』
「いえ、結構です」
私の即答と
トビの声がほぼ同時。
普通に早かった。
確かに疲れてはいたけど
だからって、ね。