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毒舌
第17章 別離の刻
おりょうは
俺の背に隠れた、
いや
背に張り付き
耳元に囁く。
「今ならまだ、私を殺せば貴方は助かる」
「馬鹿言え、」
「じゃあ……せめて父を倒して」
「……出来たらやってる」
貧相な人間風情
倒せないわけはない。
が
例外がある。
「お前、相当お偉い神に加護されてんだろ」
八百万‐ヤオヨロズ‐、
この国を牛耳る
神々には
それぞれ神格がある。
妖怪である俺たちにも
一応
格というものがあった。
双方
自分より格上には
逆らえない。
それが
世界の絶対的な掟だ。