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毒舌
第18章 ないですよ。
『あるいはそれを無視しても。香島や一華を傷付けもせず、最終的にはお前も自由になる方法が。例えば一つだけあるなら。……お前はどうするだろうな?』
なんだか
無機質に響いた。
トビの声なのに
ふ、と
トビの感情を離れて
ただ溢れたみたいに
からっぽな声。
『お前はおりょうとは違うから、選ばないかもしれないが』
(な、にが、言いたいの)
嫌な予感が
胸を圧迫する。
息が苦しい。
『いや。おりょうがしたことを、またお前にさせるのは気分が悪いと思うのは俺のエゴかもな』
「琴美ちゃん?」
私を覗き込むように
心配そうに
見上げている
香島さんに気付く。
「大丈夫?」
自分の鼓動が
早鐘みたいに
そう
これは警鐘。
トビが
何を言おうとしてるか
まるでわからないの。