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毒舌
第4章 近くて遠い
私はギョッとした。
思いの外
トビが悪人で
最低に思え
動揺する。
『……まだ聞く?』
「っ……いい、寝る!」
頭から布団をかぶり
体を丸くしたが
到底寝れる気はしない。
これ以上聞いたら
トビに対して
嫌悪感が
生まれるかもしれない。
心臓がバクバクと走る。
私はどこかで
トビに理想や願望を
押し付けていたのかも。
まるで
それを壊されそうで
恐いんだ。
何も考えたくない。
『まぁまたそのうち聞きたくなったら話してやるよ』
そっぽを向くように
少し投げやりな態度、
トビは
呆れているのだろうか。