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毒舌
第4章 近くて遠い


『実際、おりょうは部屋に監禁されていた。おりょうの部屋は札が張り巡らされ、そこから一歩も出るなと父親に言い付けられていたからだ。この父親ってのが胡散臭い術士で、どこから流れて来たのか俺様の縄張りでちょっと名前の知れた自称退治屋。陰陽師のなりそこないみたいな大した力もないソイツが、だが何故か、次々下っ端妖怪どもを退治していった』


トビは
その退治屋が
心底嫌いだったと見えて

声が憎々しげだった。


当たり前か、

妖怪の敵ってわけだしね。


『退治屋の娘を殺して、退治屋を苦しめてやるつもりだったが、その部屋とおりょうを見て俺様の気は変わった。おりょうを殺すよりもっと、退治屋を苦しめてやりたくなった。おりょうに妖怪のガキを孕ませてやろう、とな』


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