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毒舌
第24章 愕然
お世辞にもけして爽やかと言い難い朝。目が覚めたものの、まだまだゆっくり眠っていたい。頭の片隅に今何時かな、とか仕事行かなきゃ、とか浮かぶもののまったく起きれる気がしない。昨夜飲みすぎちゃったし寝不足だから、惰眠を貪りたいと体が申しております。お布団の中は極上の温もりで心地よすぎなの。
覚醒しきらないまま、ころんと寝返りをうって横を向くと、肩を滑ってブラの紐が落ちた。その肩を優しく撫でるのは温かくて大きな誰かの掌。包まれる人肌の感触。目と鼻の先に誰かの気配。足先に触れて絡めるように抱きついた。どちらからともなく。
こんなふうに微睡む時間が、なんだかとっても……。
懐かしい?
ううん、いつだって撫でる掌はぎこちなかったはず。鋭い爪を気にしてすぐに離れてしまうのが寂しかった。こんなふうにしっかりと、その指は私に触れない。