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毒舌
第4章 近くて遠い
「久しぶり」
「何がです」
「手強い相手のほうが断然燃える」
……うわぁ。
厄介なタイプ。
私はため息をついて
窓の外を見た。
しつこいセールスマンて
そういえば嫌いだった。
新聞の勧誘とか
あの手この手で
何とか契約取ろうとする
アコギな努力とか
痛々しいのよね。
香島さんは
もっと
スマートなタイプかと
思ったけど
案外変わらないのかも。
だいたい
手の内見せて本音を明かせば
ウンザリされても
仕方ないわよね。
『と、思わせといて。こっから印象上げてくスンポーじゃねえ?わざと印象を落としといてそのあと上げればオツリが来る』
不意にトビが釘を刺す。
自分がまさか
とんでもない
心理戦の罠の
渦中にいるようで
居心地が悪くなる。