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毒舌
第4章 近くて遠い


「それは営業マンの腕の見せどころ」

「?」


私が
さっそく
話についてけなくなって
眉をひそめると

香島さんは小さく笑った。


「相手がどんな年代の誰でも、楽しませることが出来たら立派な営業マン」

「香島さんが私を楽しませてどうするんです?ていうか仕事の延長だと気晴らしどころか……」

「あー。俺仕事は楽しむ主義だから。お客さんおとすのも女の子おとすのもおんなじだと思うんだよね。その駆け引きに頭を使うのはゲームみたいで面白い、成功すれば報酬もある」


「……………………。じゃあなおさら私じゃ楽しめないですね」


おとされる気もないし
報酬も見込みなしで。

ていうか
ストレスも愚痴もないなら
香島さんに
付き合う必要なかった。

山田部長の方を
慰めにいけば良かった。


大失敗。


ガッカリしてる私の横で
車の運転しながら
香島さんは

何が可笑しいのか
すごい楽しそう。


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