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第4章 近くて遠い

「私てっきり、香島さんは何か悩んでるんだと思ったから来たんですけど。もー帰りたいでーす」


最後を棒読みでボヤくと
香島さんはちょっと慌てた。


「新しい職場にストレスあるのは嘘じゃないし！」

「へー」

「や、ホントホント。本当にだよ？」


疑わしい目で見てると
まいったなーとか呟いてる。

深刻レベルの
悩みじゃないのは
明白。

というか
深刻レベルを
打ち明けられても

私じゃ役に立てないけど。



あれ、

本当私何しに来たんだろ。