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毒舌
第4章 近くて遠い
そうか
私みたいなタイプは
この手の切り口に弱いのか、
知らなかった。
とりあえず
トビの言葉に
冷静な思考を
呼び戻してみる。
まずは客観視。
流されるな溺れるな。
『さすが百戦錬磨、お前くらいおとすのもわけないってか』
(……すべて策略のうち、ってこと?)
『さぁね。意外と本音なだけかも知らねーが、お前には一番有効手段だろ。正々堂々の正面突破だ』
さすがに
トビには
私の心理なんか
バレバレなわけで
今さらながらに
冷や汗が出る。
ついでに
もう一つ思い出す。
香島さんが
仕組んだ罠でも
真剣勝負でも
結果的には
何もかわらない。
私の中にトビがいる以上
私は恋愛なんかしない。