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第28章 新章

ほろ苦くて
どうしようもなく甘くて
どんどんとろけて、

やがて
四角かった厚みが
薄くなって消えると

柔らかく艶かしい舌が
チョコにかわって
口内を犯してく。


とけたチョコを
ごくりと飲み込んで
やっと離れた香島さんを
弱った顔で睨み付けた。


「……もう！香島さんたらっ」


今までみたく
強く拒絶出来ない、

まるで
弱味を握られたみたいに
懐柔されてしまって。


目元がカッと熱くなったまま
私は視線をそらした。