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第29章 年下の

『……お前なぁ。俺がどんなけ永い間お前の中にいると思ってんだ』


疲れたように
ガッカリと言うトビに

それでも私は
食い下がった。


（私はトビが好き）

『んなこた言われなくてもわかっている』


トビは
残酷なほど
まっすぐ受け止めて

でもそれを
そのまま返してはくれない。


（わかってない。

わかってたら、香島さんに私を売るような真似しないでしょ）


私は
トビの気持ちがわからない。

不安で不安で
しかたない。

ずっとそばにいるのに。