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第30章 小さな絆

『琴美』


トビが
こんなときに

私の名前を呼んだ。


普段は
あんまり呼ばないくせに。


『何もおりょうの生まれ変わりはお前だけじゃない』


思わぬことを言われ
私はえ？と狼狽えた。


『おりょうが死んで、また生まれて死んで、幾度と繰り返しそうして生まれたのがお前だ、琴美』


息をするのを忘れて
トビの話を聞いてた。


『おりょうや他の女たちとは違う。お前は俺にとっても特別だ』


私が、

トビにとって
どう特別なの――？