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毒舌
第31章 告白
いつの間にか
気を失って
眠ってしまっていた。
夢を
見ていたわけではないと
思考は否定する。
口を開けば
掠れた声が出た。
「トビ……?」
キスの感触も
まだ残っている。
時間が
どのくらいたったかは
わからなかった。
トビの返事はなくて
部屋の中は静かで
時計の秒針の動く音が
僅かに聞こえる。
さっきまで抱き締めていた
トビの体重はもうなくて
私は完全に
一人ぼっちだった。
「トビ……」
私の中へ
戻ったのだろうか。
前に
ベランダから落ちた私を
助けた時みたいに。