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毒舌
第32章 日常非日常
ある意味
香島さんて
すごいと思うの。
ある意味ね。
脈のない相手を
こんなにいつまでも
大事になんて
どうして出来るのかしら。
それとも。
香島さんにとっては
そんなことは
問題ではないのかしら。
「俺の顔に何かついてる?」
「香島さんの中が不思議に満ちてます」
香島さんは
笑って私の頭を撫でた。
「琴美ちゃんもね」
……まぁそうかも。
納得しちゃう自分もいて。
そのうち
どうでもよくなっちゃう。
香島さんは
私の目を覗き込んで
ふわっと離れかけた
私の意識を
離さないけれど。
「寂しくない?」