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毒舌
第33章 見えない魔の手
(やめて……気持ちが悪い、触らないで!!)
心の中で
強く叫んだら
不意に感覚が戻った。
全身
汗びっしょりで
急に
空気がヒンヤリと感じる。
「……ゆ、め?」
恐る恐る身体を起こして
辺りを見るけど
やっぱり誰もいない。
身体を触ってみても
服は何ともない。
(…………夢かな。地下鉄の時はもっと被害あったもん、きっと現実じゃない)
気持ち悪いから
シャワーでも浴びよう。
そう思って
脱衣所へ行き
明かりをつけた。
「!?なにこれっ」
真っ暗な中では
気付かなかったけど
あちこち
内出血したり
赤くなったりしている、
まるで
誰かに強く
握られたみたい。
(……まさか、夢じゃないの……?)
ゾッとした。
逃げ場なんか
どこにもない。
またいつ襲われても
不思議はないんだ。