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毒舌
第33章 見えない魔の手
もう治りかけてる痣を
りおくんのあったかい手が
撫でてく、
「大事にされてないの?」
何かまた
誤解を深めながら。
私は自分の唇を噛んだ。
妖怪か何かわからない
謎の影に
襲われたのよ、なんて
言って
信じるわけないもの。
「この間のひと?それとも別の誰か?」
香島さんじゃないわよ。
相手は見えない何かよ。
言えるわけない。
苛立ちとか、恐怖とか
悔しさとか
色んなものが募って
涙ぐんでしまった。
「こんなの平気、ほっといて」
強がってないと
弱くなってしまう。
りおくんには悪いけど。