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毒舌
第33章 見えない魔の手
りおくんの目が
冷たく据わって見えた。
さっきまでとは
まるで別人みたいで
ゾクッとする。
(なんで……?りおくんどうしたの?)
言い知れぬ不安が
込み上げる私、
ゆっくり体を離し
こちらに手をかざす
りおくん。
訳がわからないまま
緊張だけが高まる。
私の足先が
不意に浮いた。
独りでに
ふわりと。
重力なんて
まるで存在しないかのよう、
繋がれた腕だけ
そこに囚われたまま
浮き上がる下半身が
空中にこの身を横たえ
りおくんの目の前で
ふわふわ漂う肢体。
それを見ても
眉ひとつ動かさない
りおくんが異様で
泣きたくなる。