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第6章 あやかしとおりょう

襖を開け放ったあと
絶句した。


部屋中に
手当たり次第
乱雑に貼られた札の白、

床も天井も壁も
埋め尽くされている中に

数少ない調度品と

真紅を纏う雪乙女。


目が
強烈な色に
ちかちかとした。


「どなた？」


寝床に腰を下ろしたまま
俺を見上げる
その女に

うっかり
神の寝床に迷い込んだかと
狼狽えた。