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羽のある生物・羽の無い女
第1章 飛翔
こんどは、背中が気になってきた。
しわくちゃになった羽が、くっついている。

それに気が付くと、やりたくなってきた。
やりたくなったから、外に出なくちゃと思った。

真っ白なカーテンは重くて、スポンジみたいだった。
器官をふんばって頑張ったけど、ねろりとしてて、開かない。
でもやりたかったから、夢中で頑張ったよ。
カラダの波を、けっこう使ってしまったよ。

顔だけ外にでた。
びんと冷たい風が当たった。まわりは暗かった。
出たくて出たくてしかたなかったから、カラダをふりまくった。
そうしたら、出られたよ。やったよ。

ちょっと疲れたから、じいっとしていたんだ。
そうしたら、明るくなってきたよ。
空と下の、見分けがついてきた。高かった。

空から、ライラックゴールドの光が落ちてきた。
慣れてくると外は、空気がひんやりと湿っていて、まだ重たいかんじだったよ。
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