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羽のある生物・羽の無い女
第10章 エピローグ
「……今だって自由だよ」

わたしは、目に見えない何かに向かって
言い訳をした。

濁った涙が、ボタボタと落ちた。


カーテンの無い窓。暗闇。
木が見える。
名前も忘れた、貧相な樹木。

その枝先に、ゴミのような白い塊が、揺れている。
それが何なのか、わたしは知らない。

夫が、いつ戻るのかも知らない。

この、繭のような部屋で、いつまで過ごすのか。

それも知らないんだ。














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