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羽のある生物・羽の無い女
第3章 探索
ワタシは、ワタシだ。もちろん知っているよ。
でもそんなことは、どうでもいいんだ。

飛べてよかったよ。
ワタシの羽は、調子よくビブラートを奏でているよ。
日の光はだんだん澄んできて、丸い世界の上から、ぎらぎらと落ちてくる。

背中は、ちょっと熱いよ。
でもカラダがあったまってきたので、調子いいよ。

調子がいいから、もっともっとやりたくなる。
風に流されながら、ずいずいずいっと飛びまくったよ。

世界の下では、いろんなモノがパレードしている。面白いよ。
チョコレート色のでこぼこや、波打った水のかたまり。
ワタシより大きい生き物、小さい生き物。

木のエダも見えた。木のエダを見ると、ドキッとする。
ワタシが生まれたのも、木のエダのそばだよ。
だからマユがないか、気になってしかたない。
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