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執事とお嬢様の禁断の模様
第3章 私を見て


「本当は…我慢……できないの。大人になるまで……待てないの……だから、
浅葱……私を、大切にしなくていいから……」


 浅葱の心臓の音は、どんどん加速する。

 そして、私の心臓も。



「私を見て……浅葱……。…お願いします。私を…浅葱のものに、してください……」


「……っ!!」


 浅葱の心臓が、これまでにないほど大きい音で脈を打った。


 ああ、言っちゃった……

 すごく、恥ずかしい。

 でも、言いたいことが言えて少しすっきりした。



「…いいの、ですか……?」


 微かに震えた声で問う浅葱。


「うん……」

「…優しく、できないかもしれませんよ……」

「うん」

「……っ…妃奈浬お嬢様……」


 浅葱は私に向かい合うと、私に優しくキスをした。

 唇に、ただ触れるだけのキス。

 そして私を軽々と抱き上げると、すぐそばにある、私のベッドに下ろした。


 ギシ…


 浅葱が私の上に覆いかぶさり、その重みでベッドがきしむ。


「…っ…恥ずかしい…」


 最初から全身を見られて、ついつい腕などで身体を隠してしまう。

 浅葱は私の頬にそっと手で触れた。


「…大丈夫ですか…?」

「…ん…大丈夫……。でも、私だけ裸は…恥ずかしいし…寂しい……」

「……わかりました」


 浅葱は手早く服を脱いで、下着だけになった。

 適度に筋肉がついて引き締まった身体。

 いつも長袖を着ているせいかわからないが、服の中の肌も色白だった。


「綺麗……」


 私が浅葱の胸板に触れると、浅葱は私の唇に軽くキスを落とした。


「…私もこういうことは初めてなので…緊張しています」


 少し、顔を赤らめる浅葱。


「えっ…そうなんだ…」

「はい。恥ずかしながら…」

「そんなことないよ…その方が、嬉しい」

「? そうですか…」

「うん。だって、みんなが知らない浅葱を…私はこれから知れるんだもん」


 私はなんだか嬉しくて、ふふっと笑った。


「…お嬢様…」



 浅葱はまた私にキスをした。
 ただし、今度は長いキス。


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