この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第12章 第一部・第三話 【月戀桜~つきこいざくら~】 十六夜の月
肥前屋長次郎は美桜の言いたい放題にも怒る様子もなく、ゆったりと笑っている。
「いつもこれが言うんですよ。私と美桜は対等だって。もっとも、美桜の言うこともあながち間違っちゃいない。昔はともかく、今はこの見世で上がった利益の幾ばくかを私が受け取っていますからね。美桜はちゃんと私に出したものに見合うだけの見返りを提供してくれている。まあ、私とこれの拘わりについてはそんなところだが、美桜、こちらは?」
「いつもこれが言うんですよ。私と美桜は対等だって。もっとも、美桜の言うこともあながち間違っちゃいない。昔はともかく、今はこの見世で上がった利益の幾ばくかを私が受け取っていますからね。美桜はちゃんと私に出したものに見合うだけの見返りを提供してくれている。まあ、私とこれの拘わりについてはそんなところだが、美桜、こちらは?」