この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第14章 第一部・第三話【戀月桜~こいつきざくら~】 熾火(おきび)
「とんだ言いがかりは止してくれねえか。確かに俺はこのところ、夜に出かけちゃあいるが、それは深川の岡場所に馴染みの女がいるからだ。そのことはお前にも言っただろう」
「嘘。私、深川まで出かけて、美桜さんに直接訊ねたのよ? 栄佐さんが緋扇に行ってるかどうか」
刹那、栄佐の顔色がはっきりと変わった。
「それでも、まだ知らんぷりするの? 宗徳寺で何が行われているのかも私は知ってるのに」
「嘘。私、深川まで出かけて、美桜さんに直接訊ねたのよ? 栄佐さんが緋扇に行ってるかどうか」
刹那、栄佐の顔色がはっきりと変わった。
「それでも、まだ知らんぷりするの? 宗徳寺で何が行われているのかも私は知ってるのに」