この作品は18歳未満閲覧禁止です
一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第3章 【残り菊~小紅と碧天~】 旅立ち
―まだ正式なご結納も済ませていない若いお二人が同じ屋根の下でお暮らしになるというのも世間的に外聞が悪うございます。また、難波屋の新しい当主としてのご自覚を若旦那さまにお持ち頂くためにも、一日も早い祝言を挙げて頂きたいのです。仮の祝言なら、一年の喪明けを待たずとも、挙げることは可能ですし、本祝言はいずれまた旦那さまの喪明けを待って、大々的に親類ご縁者をお呼びして行うということでいかがでしょうか。