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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第3章 【残り菊~小紅と碧天~】 旅立ち
「いやだ、いや。何をするの、いや」
 男の指は次第に遠慮がなくなっていく。そろりと入ってきた指はすぐに奥まで進み、複雑に入り組んだ襞をゆっくりとかきわけて更なる最奥を目指す。
「いやだぁ」
 小紅は大粒の涙を流しながら、それでも抗った。が、彼の指が内壁の感じやすい場所を探し当て、グッと力をこめて押した刹那、
「あぁんっ」
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