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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第3章 【残り菊~小紅と碧天~】 旅立ち
 自分で耳を塞ぎたくなるような嬌声を上げた。気のせいか、中に入れられた彼の指を下半身がギュッと締め付けているような気がする。
「気持ち良いんだな?」
 彼は小紅の泣き濡れた顔を覗き込み、満足げに微笑んだ。
「もっと気持ち良くさせてやるから」
 やがて指は二本、三本と増やされた。複数の指を挿し入れられ、途中でくの字に曲げて最奥までぐりっと押し込まれると、堪らない痺れがその部分から全身に走り抜けていく。
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