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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第1章 【残り菊~小紅と碧天】 始まりは雨
―小紅。
髪を結い上げた白いうなじに生温い息が声と共に吹きかけられ、総毛立った。
―何するの!
―頼むから、大人しくしてくれ。おいら、小紅のことが昔から好きだったんだ。
あまりのことに身を強ばらせていると、無抵抗なのを了解と勘違いしたのか、準平の手がそろりと伸びてきて、小紅の漸く膨らみかけてきた、いとけない胸を揉んだ。着物の上からでもはっきりと判る執拗な手の動きに、小紅は悲鳴を上げた。