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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第6章 【残り菊~小紅と碧天~】 運命が動き出す瞬間
「準平さんに心を入れ替えさせるには、真実を伝えるしかないと思ったのね。ありがとう、栄佐さん。そこまで考えてくれて」
血は繋がらなくても、大嫌いな男でも、準平は従弟だ。昔は何度も一緒に遊んだ。だから、できれば準平には眼を覚まして真っ当な人間になって欲しい。これから難波屋を盛り立てていって欲しい。
それがなさぬ仲の準平を我が子として大切に慈しみ育てた武平への何よりの供養にもなると思う。