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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第1章 【残り菊~小紅と碧天】 始まりは雨
なので、当たり障りのない返事を返した。
「いとこ同士ですから」
「相変わらず、つれない態度だな。俺はお前がうちに来るって聞く度に、今日こそは逢えるかどうかと愉しみにしてたのに、当のお前と来たら、絶対に俺の側には来ねえ。いつも避けられてばかりだ」
当たり前だ。あんな真似をされて、誰が近づくものか。
「マ、今となっちゃ、それもどうでも良い。お前は計画どおり、俺のものになったんだから」