パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第7章 第一部・第二話【赤とんぼ～小紅と碧天～】

　むろん他人から見れば、その逆であることは一目瞭然である。錦絵が飛ぶように売れるほどの人気役者とはいえ、現実として彼はまだ大部屋役者、つまりその他大勢の一人に過ぎない。一度も立て役になったことはないのだ。これだけの美貌で存在感もあるのに、何故なのか素人の小紅には皆目解せない話ではあるけれど、やはり役者には見かけの美しさだけではない何かが求められるのだろうかとも思う。