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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第1章 【残り菊~小紅と碧天】 始まりは雨
叔父はそれだけの無理をして借金を肩代わりしてくれたのに、小紅に恩着せがましいことは一つも言わない。強いて言えば、条件として準平と結婚して欲しいと言ったくらいだ。それとて、その後でこうも言った。
―もちろん、お前がいやだと言うのなら、無理強いはしない。お前が準平との結婚を断っても、ここがもうお前の家だというのは変わらないからね。お前はここから難波屋の娘として堂々と嫁いでいったら良い。私もできるだけの支度をさせて貰うよ。
―もちろん、お前がいやだと言うのなら、無理強いはしない。お前が準平との結婚を断っても、ここがもうお前の家だというのは変わらないからね。お前はここから難波屋の娘として堂々と嫁いでいったら良い。私もできるだけの支度をさせて貰うよ。