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第1章 ハートのエース

「あ～ヒロとナオが付き合ってもう4年か。
早く別れればいいのに・・・・」

あたしの就職が決まったお祝いにヒロ君がご馳走してやるって誘ってくれた。
高3でヒロ君と付き合い始めて4年か。
早いな。

そして、なぜかこのお祝いの場にお兄ちゃんもいる・・・・
お兄ちゃんはシスコンと言うことが私にばれてから
ヒロ君とのデートにたまに着いて来るようになった。
自分だって彼女がいるくせに。

「縁起でもないこと言わないでよ！」

そしていつもいつも酔うと
「別れればいいのに」って言う・・・
まったく26歳の男のセリフとは思えない。

「だいたいさ。高校生が小学生に惚れるって変だろ？
ロリコンだろ？絶対ロリコンだろ？
ロリコンだったらさ、22歳になったナオは対象外だろ？別れろ！
高1から大学４年まで片思いで思い続けるって
ストーカーだろ？絶対ストーカーだろ？
気持ち悪いから別れろ！」

これもいつも言うセリフ。
ヒロ君は「はいはい」といつも聞き流す。

あたしのこと以外では中学から仲のいい二人。
なんだかんだ言ってヒロ君もデートにお兄ちゃんが来るのを拒まない。

「もう！いい加減にしてよ！今日はお祝いなのに！」
「ナオ～～～～
お兄ちゃんがいくらでも祝ってやるよぅ」

「結構だよ！」

「冷たい。ナオが冷たいよぉ～」

さんざんクダをまいた後、いつもの通り酔い潰れて寝てしまった。