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サイドストーリー
第9章 嘘つきは恋の始まり②
「野口さんがNYに転勤になるかもしれない」
そんな噂を聞いたのは7月に入ってすぐの事。
どうやらNYで大きな契約が決まりそうなのに
主要メンバーの一人が家の都合で退職したために
本社から人員を補充するという噂が立った。
契約寸前のそのプロジェクトに今更全くの素人が入りこめる訳もなく
経営管理が逐一その動きを追っていたので
その中から人員を派遣しようという話になったらしい。
そのうち、最有力候補が野口さんだと聞いた。
そんな噂が社内を駆け巡っているのに
私にはそんな話は一切しない。
一体、どうなっているのか、不安だな。
野口さんは土日に仕事が入り、会えなかった週明けの月曜日。
お昼に食堂に来て家の鍵を渡して
「今日、月曜日だけど。ウチに来れる?」と
みんなの目もはばからずに鍵を渡した。
月曜日から会うことは稀で、私は、ああ、NY行きが決まったのかな。と
漠然と考えていた。
この土日の仕事は、上司との最終的な決定をしたのだろう。
私もこの土日に一人でよく考えた。
もし、NYに行く事が決まったと言われたら。私はどうしよう。
ついてきてと言われたら?
待っていてと言われたら?
別れようと言われたら・・・・
色々考えたけど、別れようと言われたら、絶対に別れない!と言おうと決めた。
ついて行く事や、待っていることは、二人で相談しよう。
そんな風に自分の考えをまとめた夜。
月曜日なのに早めに帰ってきた野口さんはリビングに座るなり大きなため息をついた。
いよいよ、覚悟した私に
「色々噂が飛び交っているけど。NY行きは他の奴に決まったから」
と言う。
そんな噂を聞いたのは7月に入ってすぐの事。
どうやらNYで大きな契約が決まりそうなのに
主要メンバーの一人が家の都合で退職したために
本社から人員を補充するという噂が立った。
契約寸前のそのプロジェクトに今更全くの素人が入りこめる訳もなく
経営管理が逐一その動きを追っていたので
その中から人員を派遣しようという話になったらしい。
そのうち、最有力候補が野口さんだと聞いた。
そんな噂が社内を駆け巡っているのに
私にはそんな話は一切しない。
一体、どうなっているのか、不安だな。
野口さんは土日に仕事が入り、会えなかった週明けの月曜日。
お昼に食堂に来て家の鍵を渡して
「今日、月曜日だけど。ウチに来れる?」と
みんなの目もはばからずに鍵を渡した。
月曜日から会うことは稀で、私は、ああ、NY行きが決まったのかな。と
漠然と考えていた。
この土日の仕事は、上司との最終的な決定をしたのだろう。
私もこの土日に一人でよく考えた。
もし、NYに行く事が決まったと言われたら。私はどうしよう。
ついてきてと言われたら?
待っていてと言われたら?
別れようと言われたら・・・・
色々考えたけど、別れようと言われたら、絶対に別れない!と言おうと決めた。
ついて行く事や、待っていることは、二人で相談しよう。
そんな風に自分の考えをまとめた夜。
月曜日なのに早めに帰ってきた野口さんはリビングに座るなり大きなため息をついた。
いよいよ、覚悟した私に
「色々噂が飛び交っているけど。NY行きは他の奴に決まったから」
と言う。