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サイドストーリー
第9章 嘘つきは恋の始まり②
ほんとに?
「ウチの会社は経営管理部のヤツは生涯経営管理だ。
それは色々な部の重要機密を触る立場にいるから
どの部にも転属にはならないのが普通だ。
逆に・・・転属になった時点で経営管理には戻らないことを意味する」
「うん・・・・」

他の部からNYの転属は栄転になったとしても
経営管理からの転属は栄転か微妙だ。

「今回の件で、NYの桐生さんから直接連絡があった」
「桐生さんから・・・」
「俺が最有力候補に挙がってるって」
「・・・・」
「経営管理を離れて、営業畑としてあらゆる経験を積んで取締役を目指すか
このまま経営管理にいて、エキスパートとして取締を目指すか今決めろって」
「・・・・」

ものすごく疲れた顔で、それでも私に隠すことなく全部話してくれようとする気持ちが
痛いほど分かる。
本当は私に桐生さんの話なんかしたくないよね?

「もちろん、NYは魅力あるけど。俺は本社の経営管理にいたい」
「うん」
「チコちゃんのそばにいたいとか、桐生さんと気まずいとか
そーゆーことじゃなくて。本社にこだわりたい」
「うん」

「桐生さんはそれを分かってくれて。俺を候補から外してくれたんだ」
「え・・・・」
「うん。そうなんだ」

「そっか」
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